有線と無線の狭間を行き来してるひよガジェです。
近年では、完全ワイヤレスイヤホンの手軽さから需要が高まり、イヤホンジャックが廃止されてしまう等、有線イヤホンへの風当たりを強く感じます。
しかし、音質の良さや紛失のしにくさだったり、リケーブルといったカスタマイズ性等、有線にしかない魅力があることも事実です。

イヤホンジャックがないから有線は諦めようかな…
と悩んでいる方には「SHANLING UP4」というワイヤレスヘッドホンアンプがオススメです。
こちらは手ごろな価格ながら、対応コーデックの多さ、接続の安定性、64段階の音量調整など多くの機能を兼ね備えている機種です。
本記事ではそんな「SHANLING UP4」の魅力や、専用アプリ、USB-DACとしての使用感等詳しく解説していきます。
SHANLING UP4 概要
SHANLING UP4 | |
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本体サイズ | 60mm×36mm×13.5mm |
重量(ケース込) | 44g |
搭載チップ | Qualcomm CSR8675 |
連続再生時間 | 最大15時間(シングルエンド、10時間(バランス接続) |
対応コーデック | LDAC / aptX HD / aptX LowLatency / aptX / AAC / SBC |
充電時間 | 2時間 |
対応コーデックの多さが魅力的。
最も遅延の少ないaptX LowLatencyから、ソニーの開発したハイレゾ対応のLDACまで幅広く対応しています。

iOSはSBC,AACのみ対応なので注意してね
SHANLING UP4 外観

SHANLING UP4の前面は、状態を表すインジケーターランプが実装、筐体下部にはブランドロゴが刻印されています。

側面には、音量調整と電源操作を兼ねている、ボリュームホイール/マルチファンクションボタンを採用。
このボリュームホイールが非常に優秀で、64段階の音量調整が可能になります。
これによって、「音量を上げるとうるさいし音量を下げると物足りない」といったもどかしさから解放されます。
マルチファンクションボタンでの操作は以下の通りです。
マルチファンクションボタン | |
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次の曲へ | 素早く2回押す |
前の曲へ | 素早く3回押す |
再生/停止 | 1回押す |
着信応答 | 着信中に1回押す |
着信拒否 | 着信中に素早く2回押す |
通話を終了 | 通話中に1回押す |
再生、停止といった単純な操作はまだしも、ボタンを複数回押さなければいけない操作の実用性は少々疑問に感じます。
マルチファンクションボタンでの操作はオマケ程度に考えましょう。

底面には、汎用性の高いUSB-C規格が実装されています。
充電時だけではなく、USB-DACとして接続する際にも使用されます。

上面には、3.5㎜ジャックと、2,5㎜バランス出力ジャック、ゲイン調整とデジタルフィルター調整を兼ねた、モード切替ボタンが実装。
モード切替ボタンを、2回押すことでゲインの調整が可能となります。
ゲイン調整 | インジケーターランプ |
---|---|
ハイゲイン | 青色 |
ローゲイン | 緑色 |
Dual DAC | 黄色 |
特徴的なのは3.5㎜ジャックでも、バランス接続に近い出力が可能な、Dual DACモード。
搭載チップであるES9218Pをバランス接続のように、両方駆動させることが可能になります。
リケーブルをせずとも、疑似的なバランス接続を楽しめるのは嬉しいポイント。
また、モード切替ボタンを3秒長押しすることで、音質に変化を与える、デジタルフィルターの切り替えができます。
デジタルフィルター | インジケーターランプ |
---|---|
ナチュラルサウンド | 青色 |
モニターサウンド | 緑色 |
メロウサウンド | 紫色 |
ウォームサウンド | 黄色 |

言われてみれば…程度の違いだから好みで選んでね

背面には規格や技適等が記載されています。

手のひらに収まるサイズ感で、ポケットに収納しても圧迫感がありません。

ケースは半透明のプラスチック。高級感はありませんが、バリもなく質感もサラサラとしていて悪くありません。

ケースは全体を覆うタイプではなく、前面は露出する設計です。

光沢があるし傷がつきやすそう…
と思うかもしれませんが、Shanling UP4の光沢部分は、コーティングが施されているおかげか、傷がつきにくくなっています。
持ち運びの多いワイヤレスヘッドホンアンプにおいて、傷がつきにくいというのは嬉しいポイント。

クリップの可動域は、薄型のキーボードを挟み込める程度。無理に厚いものを挟みこむと、破損に繋がる可能性があるので注意してください。

付属しているUSB-Cケーブルは布製で良い質感。長さは1mとなっています。
この手の付属ケーブルは、異常に短いものが多い印象ですが、こちらは充電時、USB-DAC接続時にもちょうどいい長さです。

実用性のある長さで嬉しい…
SHANLING UP4 接続方法
SHANLING UP4のペアリング設定は非常に簡単。画像付きで解説していきます。

ボリュームホイール(電源ボタン)を長押しして、電源をONにすることで、自動的にペアリングが始まります。

お使いの端末のBluetooth設定項目を開いて、「Shanling UP4」をタップ。

ペア設定をするか聞かれるため、「ペア設定」をタップ。

以上でペアリング設定は終了となります。お疲れ様でした。
USB DACとしての使用

SHANLING UP4をUSB-DACとして使用する際には、接続したのちに、ボリュームホイール(電源ボタン)を押して電源をONにしなければなりません。

ちょっと手間に感じるポイントだね
起動すると、PC側が自動的にドライバーを探してインストールまでしてくれます。
インストール終了後に、オーディオ設定をSHANLING UP4に変更すれば、使用準備は完了です。
USB-DACモード時のビットレート
USB-DAC時のレコーディングビットレートは「16bit」のみとなります。

私のPCのオンボードオーディオが24ビット、192000Hzに対して…

USB-DACモードのSHANLING UP4は16ビット、48000Hzとなっています。
一般的にビット数が上がると「きめ細やかな音」になると言われています。また、「ノイズ対策」といった側面もあるようです。
といっても、人間の耳には感じ取れないような微々たる差なので、ビットレートよりも、音源や視聴環境といった部分にこだわったほうがよいでしょう。
USB-DACには少々難有…
USB-DACとして接続した状態で、10分間使用せずにいると、自動的に電源がOFFになってしまいます。
再びUSB-DACとして使おうとする際には、ボリュームホイール(電源ボタン)を押して、電源をONにする必要があります。
加えて電源をONにした瞬間、ペアリング済の端末に接続される場合もあるため、USB-DACとワイヤレスヘッドホンアンプの兼用はオススメできません…
専用アプリについて
SHANLING公式から、「Shanling Controller」というアプリが配信されています。
接続デバイスの状況や、イコライザーの調整できるようになる多機能なアプリではありますが、不具合が多く、アプリとしての完成度が低いです。
アプリの影響で、本体の動作に支障をきたしてしまっては本末転倒なので、アプリの使用はせず、Shanling UP4との接続をオススメします。
SHANLING UP4のココがいい!
秀逸なボリュームホイール

SHANLING UP4のボリュームホイールに慣れてしまうと、ボタン式には戻れなくなります。
音量調整が64段階あるので、「ちょうどいい音量」を定めやすくなっています。

音量を上げるとうるさいし、下げると物足りない…
といった悩みが起きなくなりました。中々ストレスに感じる部分だったので非常に嬉しい。
あとは単純に、「カリカリ」としたホイールの操作感がとても気持ちいいです。
広がる選択肢

これはShanling UP4に限った話ではありませんが、ワイヤレスヘッドホンアンプは、有線イヤホン、ヘッドホンの選択肢を広げてくれます。

イヤホンジャックの廃止で今まで使っていた有線イヤホンが使えなくなっちゃった…
という方でも、ワイヤレスヘッドホンアンプを使用することで、お気に入りの1台を復活させることができます。
中低域が豊かになる

今回、比較するにあたって、以前紹介した「水月雨 moondrop quarks」を使用しました。

コーデックはLDAC、ゲインはDual DACでの視聴です
直挿しに比べて中低域が強調されており、音に厚みが増すことで、音楽をより立体的に感じることができます。
安価なヘッドホンアンプだと、「違いを感じない」なんてことも多々ありますが、SHANLING UP4では明確に違いを感じることができました。
充電しながらの使用が可能(注意点有)
SHANLING UP4は、充電をしながらレシーバーとしての使用ができます。
これが地味に便利で、出先で使用して、帰宅後デスク回りで充電しながら使用…ということが可能になります。
しかし、この機能を使うにはPCに接続し、最新のファームウェアアップデートを適用しなければなりません。

アップデートの適用方法はこちらの記事にて解説しています。よろしければご確認ください。
SHANLING UP4 レビューまとめ
本記事では「Shanling UP4」について書かせていただきました。
対応コーデックの多さや、秀逸なボリュームホイール、その他細かい機能など約1,0000円で買えるヘッドホンアンプとしては非常によくまとまっています。
有線イヤホンで細かな音量調整がしたい方や、直挿しでは鳴らしにくいイヤホンをお持ちの方、スマホで使える手ごろなヘッドホンアンプをお探しの方には非常にオススメです。

「ホイール目当てで買ってもいい」と思うほどの良い製品でした
SHANLINGの本社は中国深センに構えており、先月までロックダウンが続いていたこともあって、製造に影響している可能性があります。
通常の値段に比べて、7,000円ほど値上がりしているので様子を見るか、若干在庫のある、上位モデルの「SHANLING UP5」を検討してみてもよいかもしれません。
以上、ひよガジェでした。お読みいただき、ありがとうございました。
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